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矢尾定へおこしやす~冬の入口を味わう~

皆さんこんにちは!

矢尾定の更新担当の中西です。

 

さて今回は

~冬の入口を味わう~

 

11月下旬、京都の朝は白い息が立ち始め、冬の足音が聞こえます。
この時期の京料理は、“温と静”をテーマにした繊細な世界へ。

1. 季節の移ろいを映す献立

晩秋から初冬にかけての仕出し料理では、柚子・かぶ・里芋・ゆり根といった“滋味深い食材”が主役になります。
鍋や吸い物には葛仕立てのとろみがつき、体を内側から温めてくれます。

また、見た目にも季節感を演出するのが京都流。
器には雪輪や竹の文様、金箔の控えめな装飾があしらわれ、冬の静寂を感じさせます❄️。

2. 「温」の技

寒さが増すほどに、温かい料理の技が光ります。
炊き合わせの煮含め時間を長くし、素材の旨味をじっくり引き出す。
湯気が立ち上る温度まで、持ち帰り時間を計算して配達。
まさに“時間と温度の職人芸”です。

3. 「静」の美

冬の京料理は、味も見た目も“静”の美学。
派手さを抑え、淡い色合いで深みを出す。
京人の美意識は「控えめにして華やか」──仕出しの折箱にも、この哲学が息づいています。

4. まとめ

11月の終わり、京都の台所には静かな緊張感が漂います。
素材、器、盛り付け、香り──そのすべてが“冬を迎える覚悟”を映しています。
仕出し屋の仕事とは、そんな季節の心を料理で伝えること。
お客様が箱を開けた瞬間、「ああ、京都の冬が来たな」と感じていただけるように。

 

献立はこちら

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