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日別アーカイブ: 2025年9月3日

矢尾定へおこしやす~盆地に息づく“もてなし”の系譜 🏯🍵~

皆さんこんにちは!

矢尾定の更新担当の中西です。

 

さて今回は

~盆地に息づく“もてなし”の系譜 🏯🍵~

 

京都の仕出しは、単なる配達弁当ではなく「客の場へ料理人の腕と心を出向かせる」営み。茶の湯・年中行事・町衆文化が交差する都では、季節感・儀礼・しつらいが一体となり、器や包み紙、結び方にまで美意識が通います🎋。

1|起源:公家・寺社・町家が育てた“出張厨房”の知恵 ⛩️

平安の宮中食、禅林の精進、戦国~江戸の茶の湯が影響し、家ごとの催しや法要、寄合いに料理を“出す”=仕出す慣習が広がりました。盆地の気候は保存や運搬の工夫を促し、昆布・鰹・干し椎茸のだし文化が洗練。日持ちや温度帯を見こした炊き合わせ・焼き物・酢の物の構成が型に。

2|京料理の原理:五味・五色・五法と“走り・旬・名残” 🌈

  • 五味(甘塩酸苦旨)、五色(赤黄青白黒)、五法(焼煮蒸揚生)を調和。

  • 盛り付けは盛り切らず余白を残す=“間”の美学。

  • 「走り(先取り)」「旬(真ん中)」「名残(去り際)」で季節を見せ、仕出しでは時間差も味方にします🌿。

3|行事と仕出し:ハレとケの設計 🎎

  • 松の内:祝い肴・黒豆・田作り・数の子。

  • 節分:いわし生姜煮、巻き寿司。

  • ひな祭り:はまぐり真丈、ちらし寿司🌸。

  • 祇園祭:暑気払いの酢取肴、出汁ジュレで涼味。

  • お彼岸/法要:精進折詰、色味は落ち着き、香りは控えめに。
    日にち・開始時刻・会場導線を逆算し、味のピークが訪問時に合うよう火入れと冷まし工程を調整します🕰️。

4|包む文化:杉・檜・和紙・水引の情報設計 📦

京都では包み=物語。木箱や経木は吸湿・防臭に利き、八角・長手など器形で場の格式を示す。水引の色・結びは意図の言語化(お祝い=紅白、弔事=白銀など)。ラベルは最小限、筆致は柔らかく。視覚と触感で“京都らしさ”を届けます。

5|まとめ

京都の仕出しは移動する茶懐石。だしと温度、時間と器、四季と礼法が織りなす総合芸術です。次回は季節と献立設計を、数量・単価・人員のリアルとともに具体化します🍁。

 

 

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