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矢尾定へおこしやす~だし・温度帯・時間差の科学 ~

皆さんこんにちは!

矢尾定の更新担当の中西です。

 

さて今回は

~だし・温度帯・時間差の科学 ~

 

 

仕出しは出来立て=最強ではありません。狙うのは**“食べ頃”の到着**。だしの落ち着き、酢締めのなじみ、煮物の味含ませがピークになる時計合わせが命です⌚。

1|春(弥生~卯月):香り立つ“初々しさ”

  • 八寸:菜の花辛子浸し、桜鯛昆布締め、筍木の芽和え。

  • 炊合せ:若竹煮(だし:一番だし7、薄口醤油1、味醂0.5、塩少々)。

  • 寿司:手綱寿司(鯛×酢飯は弱めの合わせ酢で清澄感)。
    温度帯:常温寄り。木の芽・柚子の揮発を活かすため冷やし過ぎない。

2|夏(皐月~葉月):清涼と衛生のマネジメント ☀️

  • 冷やし鉢:賀茂茄子オランダ煮に生姜ジュレ。

  • 酢肴:鱧の落とし梅肉、きゅうり雷干し。

  • 御飯:とうもろこしご飯(冷めても甘い)。
    温度管理10℃以下のチルド出荷、保冷剤は上下面の対流を考えて配置❄️。

3|秋(長月~霜月):旨味の重奏

  • 焼物:鰆幽庵焼き+銀杏素揚げ。

  • 炊合せ:里芋・蓮根・舞茸の含め煮(香りは強火→蓋して余熱)。

  • :きのこ散し、色は淡く香りは豊かに。
    名残の演出:柿膾や菊花和えで去りゆく季節を忍ばせる。

4|冬(師走~睦月):滋味と保温

  • 温もの:蕪蒸し(海老/鱈/銀餡)、湯気の“香り演出”に竹皮保温

  • 強肴:鴨ロース煮(寝かせで旨味凝縮)。

  • 口直し:千枚漬け。
    到着時の温感:断熱材+二重蓋。汁気は別添え出汁でこぼれ対策。

5|献立表の“読みやすさ”と言葉選び

献立名は漢字+ひらがなで硬軟バランス。「炊き合わせ」「揚げびたし」「うぐいす醤油」など風景が浮かぶ語を。アレルゲン表示は枠外に明快、英訳は素材→調理法→味付けの順

6|数量・単価の設計

  • 法要折詰:3,000~5,000円帯が主力。

  • お祝い会席箱:6,000~10,000円で器・紙質を格上げ。

  • 大口(企業・学校):1,500~2,500円の“現場最適化”モデル(食べやすさ・片付けやすさ)。

7|まとめ

“時間差おいしさ”を設計できれば、仕出しは現地調理を超える瞬間があります。次回は**オペレーション(衛生・配送・設営)**を具体的に解剖します。

 

献立はこちら

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