皆さんこんにちは!
矢尾定の更新担当の中西です。
さて今回は
~舌で味わい、目で愛でる~
1. 京都仕出しの最大の特徴
京都の仕出しは、単なる料理の配達ではなく「料亭の雅をそのまま運ぶ」という発想で作られています。
そのため、味・見た目・香り・器選びすべてにおいて高い完成度が求められます。特徴を挙げると
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季節感の徹底表現
春は桜や若葉、夏は涼しげなガラス器や青竹、秋は紅葉やすすき、冬は雪景色を思わせる盛り付け。
食材だけでなく器・あしらい・彩りまで“季節の物語”が盛り込まれます。
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薄味で上品な京料理の流れ
京都は硬水で出汁がよく出るため、昆布や鰹節の旨味を活かした薄味が基本。
素材の色や形を壊さず、見た目の美しさも保ちます。
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用途に応じた構成
結婚式やお祝いには鯛や紅白の食材、法事では精進料理や落ち着いた色合い行事や儀礼に沿った料理構成が徹底されます。
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器や包みも含めた“演出”
朱塗りの折箱、竹皮、和紙包みなど、器や包みも料理の一部。食べ終えた後も「美しい」と感じさせます。
2. 代表的な料理と献立例
■ 折詰弁当
祝い事や行楽、観光客にも人気の形式。四角い折箱に、見た目も華やかな料理が詰まります。
例:
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出汁巻玉子
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季節の炊き合わせ(筍・湯葉・京にんじん)
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鯛の昆布締め
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錦糸卵と海老のちらし寿司
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和菓子や果物
■ 会席仕出し
料亭の会席料理をそのまま自宅や会場で味わえる豪華仕様。
献立例:
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先附:胡麻豆腐の山葵添え
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吸物:清汁仕立て(松茸・三つ葉)
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向附:鮮魚三種盛り(鯛・鰤・平目)
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焼物:鰆の西京焼き
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炊合せ:聖護院かぶら・小芋・湯葉
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御飯:季節の炊き込みご飯
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甘味:抹茶羊羹
■ 法事仕出し(精進料理)
肉や魚を使わず、野菜・豆腐・湯葉を中心に構成。
色合いも落ち着き、派手さを控えた盛り付けが基本。
例:
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湯葉の煮物
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南瓜・蓮根・椎茸の炊き合わせ
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胡麻和え
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赤飯または白飯
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季節の果物
3. 京都仕出しの魅力を支える技
これらの積み重ねが、料理を単なる食事から「芸術」に昇華させています。
京都の仕出しは、味わう前から目で楽しませ、食べた後も心に残るように作られています。
素材選びから器、盛り付け、包み紙に至るまで一つの“作品”として完成させるのが京都流。
その丁寧な仕事と美意識こそ、京都仕出しの本当の魅力と言えるでしょう。
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